「中堅社員なんだけど、プロマネが得意ではなくて悩んでいる。プロマネが上手くいくコツを知りたい!」
大手企業にてプロマネ歴15年の"えくてと"です。
プロマネ、いわゆるプロジェクトマネージメントですね。
言うまでもなく、プロマネとはプロジェクトを成功に導くためにいかにコントロールするかの術です。
今でこそネットが普及して1人で完結する仕事が増えてきてますが、非常に限られた範囲内での話であって、大半の人は周りの仲間と連携しながら仕事を実施している状況です。
そこで活躍するのが、プロマネスキルです。
因みに、プロマネ術の本とかは世の中に腐るほどあって、具体的な手法を知りたければそのような本を購入して読むことができます。
しかし、そのような本をたくさん読んでいるのに一向に身に付いていかないのはなぜなんでしょう?
その答えは、読んだら何となくわかったような雰囲気になってしまうからなんですね。
そのように陥ってしまうのは、集約されたエッセンスが羅列されているだけで具体的な自分のシチュエーションに合った実例がないために、わかったつもりにならざるを得なかったということだと思うのです。
私もいくつもの自己啓発の本を多く読みましたが、読んだことだけで自己満足となり、どれだけ行動できずにプロマネを失敗させてきたことか・・・。
そんな多数の失敗経験から思ったことは、『具体的な自分の行動をイメージできて、確実に行動できるプロマネ術』が必要だということです。
その結果として、成果が確実に出やすくなるということに繋がるのです。
Contents
プロマネで自分の行動をイメージすべくポイントを把握する
具体的な自分の行動をイメージするために、まずはプロマネの流れの中で抑えるべきポイントを知りましょう。
で、プロマネといっても大きいプロマネもあれば小さいプロマネもあって、プロジェクトの規模って正直ピンキリですよね。
ですから、ここで定義するプロジェクトはイメージし易い10人以下のプロジェクトとします。
全体の8割ぐらいのプロジェクトは10人以下のミニプロジェクトだろうし、100人、1000人と人数が増えてもプロマネで行う行動は基本的には同じですから、10人以下のミニプロジェクトで必要となるスキルを身に付ければ十分戦えます。
ということで、10人以下のミニプロジェクトを上手く回していくためのプロマネ術を前提に説明していきたいと思います。
始めに、プロジェクト運営の流れって大きく3つに分けられると思います。
その3つとは、
②課題を解決するためのアイデアを出す
③アイデアを実現するために行動する
です。
①プロジェクトを立ち上げる
背景を説明する
メンバーに背景を説明しておくと責任感が出ます。
プロジェクトを立ち上げるといっても、そんなに気を張らなくていいです。
まず、自分はなぜこのプロジェクトを立ち上げたいと思ったのかの背景の説明から始まり、それができた暁には世の中にも、相手にとってもこのようなメリットがあるということを説明できればいいのです。
なぜ背景からわざわざ説明するかというと、背景があると人はそこに行動するための理由付けをしてくれるからです。
だから、背景説明があったのとなかったのとでは大違いなのです。相手に気持ち良く動いてもらいたいなら背景を絶対説明した方が得です。
因みに、大したことのない背景でもいいのですが、情熱がある背景ならより強固な説得力となりえますので、あなたが十分時間を掛けてもいい部分だと思います。
仲間と計画を作る
仲間と計画を作ると、仕事の質が上がります。
プロジェクトリーダー1人が計画を作ってチームメンバーにやらせるというワンマンなやり方も一つのやり方ですが、初動が早くなる一方で、やらされ感でチームの士気が上がらないといった問題があります。
チームの士気が上がらなくても80点の仕事はこなせますが、逆にいうとリーダーが見落としていた視点を含めた120点の仕事ができないんですね。
ですから、私はチームの士気を上げておいたほうが得と考えます。
で、その士気を上げる方法の一つとしては、一緒に計画を作るということです。
人間、人から仕事を押し付けられるのって根本的に嫌なものです。その嫌なことを軽減するために、一緒に計画を作ることで潜在意識化で自分が主導で作ったと思い込んでもらって、心理的ストレスを軽減させるのです。
因みに、計画は失敗を見込んだ計画を立てておくべきです。人はどうしても自分の力を過大評価してしまい、見積りが甘くなってしまいがちだからです。
私も1発で成功する綱渡り状態の計画を立てて、計画より遅れていったことが何度もありました。遅れていくことでチームの士気が下がりますし、何より周りの評価が落ちます。
最低2回、平均で3回ぐらいが経験上妥当かなという感じです。
慣れてきて、自分たちの力を見切ることができれば1回でももちろんOKです。
②課題を解決するためのアイデアを出す
社内のアイデアマンに参画してもらうと、プロジェクトのスピードが上がります。
仲間集めが終わり、大日程の作成ができた後は、プロジェクトのキーとなる課題を解決するためのアイデア出しをメンバーとブレストします。
ここでメンバーで解決する案が出ればラッキーですが、往々にして途方に暮れる場合があります。
そんな時は、社内で知識を持っている人に暫定的にアドバイザーという立場でプロジェクトに参画してもらいましょう。
ネットや本で調べるのもありですが、調査の時間でプロジェクトのスピードが落ちてしまいます。
ですから、社内に知識がある人がいるなら社内の知識人を活用することを第一に考えることをすべきです。
③アイデアを実現するために行動する
リーダーはメンバーに仕事を割り振り、状況を常に把握し、遅れそうならケアをするということが行動です。
アイデアを出せたらなら、各担当に仕事を割り振ってあとはやっていくだけですが、プロジェクトリーダーは各担当に任せきりではいけません。
かつて私は担当者に任せきりで1週間後を過ごし、フタを開けてみたら何も進んでいなかったということが多々ありました。
その時、『大人なんだから遅れるなら遅れるでメンバーがリーダーに連絡すべきだ』という考えがあったのでしょう。
確かにこれは間違いではないのですが、プロジェクトリーダーはメンバーの遅れも自分事として捉えて、全責任を負う覚悟でなければいけなかったのです。
当然、上層部もプロジェクトの責任はリーダーだと思ってますからね。
ですから、リーダーは常にメンバーの状況を確認し、必要ならケアする動きをかけなければいけないのです。
ケアの具体的なやり方としては、メンバーの遅れを挽回するために仕事の割り振りを見直したり、チーム外のメンバーに緊急支援の要請の調整をしたり、自らその業務に入ったりする動きを掛けるということを行います。
プロマネが苦手な人でも確実に推進するための2つのコツ
プロマネでやるべきことを挙げてきましたが、それを実際できないとまさに絵に描いた餅、机上の空論状態となってしまいます。
ですから、口だけと言わせないためにも確実に推進し、成果を出せるようにならなければいけません。
コツ1:毎日朝会を実施する
毎日朝会を行うと、メンバーに責任感が出て、遅れの挽回も何とかなります。
確実に行動できるようにするためには、定例で毎朝朝会を設定するのが非常に効果が高いです。
なぜ朝に実施するのがいいかというと、その日の全員の行動が把握できるのと、前日の全員の成果が把握できるからです。
例えば、夕方に実施して修正すべきポイントが見つかったとしても、さあ今から修正しようという時間も残ってないし、夕方なので集中力も切れてしまっているからです。
ですから、朝実施するということが重要なのです。
因みに、朝会を実施するに当たっての注意点を3つほど。
1つは、朝会の名目は遅れをみんなで助け合う場にするということです。
実質フォローの場なのですが、フォローの場というのを全面に押し出すとみんな構えてしまいますからね。
そして2つ目は、朝会の設定時間は15分、長くても30分とし、朝会への参加ハードルを下げるという工夫も必要です。
朝から重い会議を誰もがしたくありませんからね。
そして最後3つ目は、全体の進捗をリーダーから報告し、個別の進捗を各メンバーにさせるということです。
この狙いは、全員に一言でもしゃべらせて当事者意識を持たせることです。
報告がないと分かった途端、会議の話を聞かなくなりますから。
コツ2:節目を設ける
節目を設けておくと強制力が働き、継続すると慣れでプロジェクトが自発的に回り出します。
確実に推進するために一番いいのは、先に結果報告の節目、つまり会議を設定しておくことです。
人は必要に迫られると、何やかんやで周りに迷惑を掛けないようにそこに間に合わせるようにやるんですよ。
そして、その報告の場に偉い人を呼んでおくとより強制力が高まります。
最初は強制力を上手に使ってプロジェクトを始動させますが、軌道に乗ってきたら報告の間隔を長くしていっていいでしょう。
なぜなら、もうその頃にはチームが習慣の中で動ける状態となっており、強制力に依存しない自発的な活動になっているからです。
余談ですが、何がいつも行動を妨げてしまうのか分かりますか?
それは偏に心の問題です。
人は何か新しいことに挑戦する時になかなか動くことができません。その理由は、潜在意識レベルで変化を嫌うからです。
安定状態においては生命が維持できるのに対して、変化を伴う行動を起こすとその状態が崩れ、生命の危機をもたらすかもしれないと判断してしまうのです。
だから人は動けなくなるのですが、それを克服するためにも習慣化は効果的なのです。
以上、プロマネが苦手な人でも確実に成果を出せる2つコツでした。